紫外線〈UV〉について【オーストラリア編】
「紫外線って何となく肌に悪いイメージ、夏になるとよく聞く名前だけど、詳しくわからない…」
という方も多いのではないでしょうか?
意外と知らない紫外線のあれこれ。
この記事ではあらためて紫外線について知識を深め、美容面、健康面の両方で肌を守る方法をお伝えしたいと思います。
紫外線ってなに?
太陽の光には、目に見える光(可視光線)と、目に見えない(不可視光線)赤外線、紫外線とがあります。
紫外線はその中で最も波長の短い光。
可視光線より波長が短くなっても長くなっても、人間の目では見ることができなくなります。
可視光線より波長の短いものを紫外線、長いものを赤外線と呼びます。
美容サロンではバストに可視光線を当てたり、ネイルには紫外線を使ったり色々な光を活用しますが、それはまた別記事で詳しくお肌のお手入れやシミやしわ、たるみの話題で詳しくお話ししたいと思います。
美容の記事でこの辺りを詳しくお伝えよていですので、今回は簡潔に説明しますね!
各波長の可視光線の色は、日本だと波長の短い側から順に、紫、青紫(藍)、青、(青緑)、緑、(黄緑)、黄、黄赤(橙)、赤で、俗に七色といわれます。
光の分類は連続的な移り変わり。
国や文化によって分類の仕方は異なり、虹も5色や6色などに分類する国もあります。
日本では虹は7色だと考えますが海外では5色だったり、様々なんです
紫外線はUV-A波、UV-B波、UV-C波の3種類に分かれいて、その中で地球上に届いて私達が浴びているUVはA波とB波のみ。
このUV-B波は人体に有害な物質で、日焼け(火傷)を起こしたり、皮膚がんの原因になると言われています。
オーストラリアの紫外線は事情が違う⁉
一般的に紫外線は大気層(オゾンなど)で吸収され、地表には到達しない。
ですがオーストラリアではちょっとワケが違うんです。
原因はオーストラリア上空の紫外線を吸収するオゾン層が破壊されて薄くなり、オゾンホールが出来てしまったから。
昔に比べたら今では少し状況が良くなってはいるものの、特に有害で生体に影響を及ぼす紫外線の波長から守ってくれているオゾン層が破壊されるとどうなるのか?
オゾン層は紫外線を吸収して、地上の生態系を守っていますが赤道付近にあるオーストラリア大陸(ニュージーランドも)は、紫外線が大気を通過する距離が短いため、強い紫外線を浴びる事になってしまいます。
なぜオーストラリアがオゾンホールの真下に位置しているのかというと、オゾン層を破壊するフロンガスの使用(オゾン層破壊物質から出る塩素原子)によるダメージと、南極特有の多面的な気象条件が重なったことが原因と言われています。
ですのでフロンガスの使用は厳しく取り締まっていて持ち込み制限もあります。
今はみんなの意識と行動が変わったから、かなり状況も改善されてきたよ!
P君ママが来日した時(6年前)私の使うつや出しヘアスプレーをとても気に入り、美容院で購入したものの、日本を出国前にフロンガスが使われていることが分かり、豪州には持ち帰れず…
日本滞在中限定の思い出となりました。
オーストラリアはオゾン層を保護するため、1987年に「モントリオール議定書」を制定し、フロン類などのオゾン層破壊物質の製造と使用を禁止しました。
1985年には、国際的に協力してオゾン層を保護するための「ウィーン条約」に調印し、
更に日本でも、1988年には「オゾン層保護法」が制定され、オゾン層を破壊する可能性のあるフロン類の製造を打ち止めにしました。
ですがフロンの種類によっては、2020年までに全廃されないものもあり、世界でもモントリオール議定書に非加盟国も多くあるため、オゾン層を保護する為の課題はまだまだ残っています。
皮膚がん率高め!紫外線から肌を守ろう!
多くの観光客が訪れるオーストラリア。
選ばれる人気の理由の一つはやはり「天候の良さ」
常に太陽がサンサンとふりそそぎ、海辺で日光浴を楽しめる!というイメージが強いのですが、
この「太陽」が多くのオーストラリア人を苦しめている、というマイナスの側面もあります。
元々色白のオーストラリア人は紫外線にとても弱いんだよ
豪州では70歳までにはおよそ3人に2人が発症すると言われ、毎年1900人程が皮膚癌が理由で死亡していると言われているほど。
では実際に日本とどれくらい差があるのでしょうか?
紫外線の強さは、UVインデックス指数という数値で表されます。
UVインデックス指数が1~2であれば「弱い」とされ、安心して都外で過ごすことが可能。
3~5であれば「中程度」、6~7であれば「強い」とされ、長袖のシャツや日焼け止め、帽子などの利用が推奨されます。
8~10は「非常に強い」、11以上であれば「極端に強い」と表現され、日中の外出は出来るだけ控え、出る際は必ず長袖のシャツや日焼け止め、帽子をするようにと定義されています。
例えば、東京とシドニーの最高UVインデックス指数はどちらも10で、最低指数は2です。
どちらの都市も紫外線の強さは、ほとんど変わりません。
ですが、赤道に近い北の街ダーウィンになると大違い!
なんとダーウィンの最低UVインデックス指数は8、最高指数は13、年間平均で10.75と非常に数値が高い。東京に比べてもかなり差が大きいのです。
南半球に位置するオーストラリアは日本と季節が逆になる為、日本の冬からオーストラリアの夏に移動する場合、その落差は実際に5倍にも6倍にもなる可能性があります。
しっかり紫外線対策をしなければ後で後悔してしまうのでご注意ください!
日本では基本的に美容のための紫外線対策ですが、オーストラリアでは健康を守るための大切な取り組みです。
ふじことP君のママは同い年ですが、肌のクオリティが全く違い、P君ママがふじこママに初めて会った時に
同い年だなんて信じられない!
どうやったらこんなきれいな肌を保てるの?
…と義母Dはふじこママの肌のもちもち具合に興味津々。
たしかに日焼け大好き、船での生活をしていたP君ママの腕、顔、首はおしわだらけ…しかも太くて深いやつ。
逆にふじこママは日焼けしたくない人でちゃんと日焼け止めもつけて守っているし、エステにもコンスタントに通う人なので年齢の割にキレイ。
ファンデーションも標準より白めのお色。
明確に違いがはっきりと分かりました。
豪州での紫外線対策
オーストラリアでは紫外線による健康被害予防に向け、1980年代に「サン・スマート(Sun Smart)」プログラムが導入されています。
中でも、特に力を入れているのが子どもへの紫外線予防指導です。
『スリップ・スロップ・スラップ・ラップ(Slip, Slop, Slap, Wrap)』
というスローガンを合言葉に徹底した対策が実行されてるよ!
ふじこもゴールドコーストに住んでいた時、子供を保育園に入園させる時に園から言われたのが
日焼け止めとサングラスと帽子持参じゃないと預かれません!
保育園や幼稚園ではこの3セット〈帽子、サングラス、日焼け止め〉が無いと預かってもらえないのです。
あわててちびっ子サイズのサングラス(バンド付)とキャップではなくつばのある帽子を購入し、
日本では見かけない大きなポンプタイプの日焼け止めを各自持参、それぞれのロッカーに置いていました。
なので皆さんもこの国でちびっ子がサングラスをかけているのを見かけることがあるかと思いますが、
それはファッションではなく
『スリップ・スロップ・スラップ・ラップ(Slip, Slop, Slap, Wrap)』
のため、子どもたちが屋外へ出る時に守るべきスローガンの為だと理解しておかれると良いですね。
豪州の方は全体的に目の色素も肌も私たちより明るく薄いので、よりダメージを受けます。
紫外線は目からも取り込まれますし、美容面だけではなく健康面でも予防が必須!
対策は肌だけではないんですね。
こちらがそのスローガンです↓
〇長そでのシャツを着よう! (Slip on a long sleeved shirt!)
〇日焼け止めを塗ろう! (Slop on some sunblock!)
〇帽子をかぶろう! (Slap on a hat that will shade your neck!)
〇サングラスをかけよう! (Wrap on some sunglasses!)
子どもの時に大量の紫外線を浴びると将来的な健康被害リスクを高めるため、
紫外線から子どもたちを守ろうということで、このスローガンが誕生しました。
オーストラリアの紫外線対策は歴史が古く、予防対策は国民の間に広く浸透してるよ!
オゾン層が破壊されているため紫外線の中には浴びたくな悪い物質がたっぷりなので、
他の国よりもルール化が厳しくなっています。
日本と同じようにとらえていると、後からのケアがより大変なことになるのでご注意を‼
例えば、『ノーハット・ノープレイ(No Hat, No Play)』ということで、帽子をかぶらない子どもが校庭で遊ぶことを
禁じている学校が多く、戸外活動授業でさえ禁止してしまうという徹底ぶりです。
日光の当たる身体部分にはすべて日焼け止めを塗ることを義務づけられるほど厳しく取り締まっているので、
このあたりの意識は私たち日本人のそれとは大違いですね。
皮膚がん率がかなり高いので、防止策として至極当然の事かと思います。
ふじこは豪州に住む前は美容のお仕事ではなかったので知識がなく、そこまで徹底した対策をせずにスキューバダイビング三昧でした…だから今ごろになってそのツケがまわってきています…
レスキューダイバーの試験【2日間】は気温40度、海水表面で火傷級の日焼けをして顔の皮膚がベロ~ンとめくれ、痛くて大変でした
シミも嫌ですが、やはり皮膚がんはこわいです。
なぜそこまで怖く感じるかは次の段落で↓
ほくろにも注意!もし皮膚がんかも?と思ったら…
メラノーマの発生について、欧米の白色人種は日本人より十倍以上多いというデータがあります。
白色人種は日本人より肌の色がうすく、紫外線に対する防御も弱いので皮膚やホクロに対して、多量の紫外線を受けることは良くないという意識です。
ホクロをいじったり傷つけたりすると、色やサイズ、質感が変わるから刺激禁止!
問題の無いホクロなのか、もしくは何か潜んでいるのか…。
後者ならば刺激は禁物ですので、ホクロはできるだけ刺激をしないように心がけましょう。
なぜなら実際ふじこの家族にも存在するからです。
ホクロだと思っていたら、そこに悪性腫瘍があった親族が複数名…
ぼくの家族でも4人が皮膚ガンなんだよ(ホクロ内は一人)
鼻の頭に、肩にも、足のふくらはぎにも皮膚がん発生でその部分を切除、もしくは焼き切る方法での手術が行われました。結構えぐられます。
みんなビーチが大好きで、
ホリデーとなると「どれだけバカンスを過ごしたかは、どれだけ日焼けしてきたかで決まる!」
と豪語するのです。
アジア人よりもメラニンが少ない白人の方はどうしても紫外線ダメージが大きく、それに加えて太陽大好き!
なのでしっかり対策しないとすぐ皮膚がんです。
メラノーマとは、悪性黒色腫という非常に悪性な皮膚がんの1つの病名だよ
一般的には「ほくろのがん」「ほくろのような皮膚がん」などと理解されています。
メラノーマは抗がん剤の効き目が芳しくない腫瘍で、放射線治療もそれほど効果がみられません。
その為、手術により腫瘍を全摘することが治るための近道となっています。
早期に発見・診断されれば小さな手術のみで簡単に治ることが可能!
手術の後遺症の心配もないでしょう。
実は僕も取り去ったところなんだよ、実際の写真がこれ↓
私の旦那Pくんも海が好きでよくマリンスポーツ三昧!家業で船にも乗っていましたし、背中はしみだらけ…
2ヶ月前に皮膚がん一歩手前の基底細胞癌(英語:でbasal cell carcinoma)の腫瘍が見つかり液体窒素で焼いたところでした。
その後完治しておらず、もう1度焼き切りました…
隣で見てても痛そうだった…
ですのでメラニン量の違いはあれど、アジア人の私たちも男女関係なくしっかり日焼け対策をしておきましょう!
帽子やサングラス、日焼け止め(何度も塗りなおすので)はカバンに必ず入れておく意識で予防になります!
ただ、インドアのプールでは水質保持の為、まれに日焼け止は塗らないで下さい、とアナウンスされるので、その時は例外ですね。
日傘をしているのはアジア人だけ?
日本では普通に紫外線対策として多く利用される日傘。
ですがオーストラリアでは日傘を使用する人はほぼいない…
私は紫外線アレルギーだったので、折り畳みの日傘を何本か持ち込んで使っていましたが、
旦那Pに不思議がられていました…
なんで太陽が気持ちいいのに日傘なんてするの?WHY?
もし見かけるとしたら現地在住のアジア人、もしくはアジアの観光客というパターン。
欧米人が日傘をしているのをまず見たことはなかったです。
そして現地では日傘を手に入れるのは困難。
軽さやデザインの豊富さ、コンパクトさ、お値段のどれをとっても日本製には絶対に勝てません。
日傘を利用したい人は日本から持っていくのがベターです。
入国の際に折りたたみの晴雨兼用を3本持参。
日本製は質が良いので持参する価値あり!
「今日は曇り気味だから紫外線も少ないだろう」そんなことはありません。
雨でも曇りでも紫外線はふりそそいでいます。紫外線量の違いだけですのでご注意を!
日傘が難しい場合はUVカット効果のある服を着用するのもいいですね。
ビーチではパラソルを利用して、出来るだけ日陰で過ごしましょう!
まとめ
海外旅行中は行きたい場所や計画しているアクティビティなど、楽しいことが盛り沢山!
バタバタしていてつい身の回りへの注意を怠ってしまいがちです。
「今はホリデーだし…」と少し気持ちがゆるんでしまうかもしれませんが、滞在中や帰国後の健康を考慮することは大切です。
紫外線は直接健康に被害を与える危険がある!ということを意識しようね!
準備や対策をするだけで、旅行先での滞在がさらに楽しく安全になります。
紫外線対策をとり、しっかり実践しましょう。
そして紫外線による健康被害は勿論オーストラリアだけではありません。
太陽の光が届く地域ではどこでも紫外線が存在します。
今後もオゾン層の破壊がこれ以上広がらないように、日々の生活でどう選択したら改善するのか?
具体的な行動&対策を起こしていけばオゾン層の保護に繋がっていきますね!
未来のために一人一人ができる事をやっていきましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!